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中内眼科クリニック

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院長雑記

落日

2024-07-14  カテゴリ:

 いや~、昨日、今日は、久々に昭和の夏って感じの気温でしたね。最高気温が30℃くらいだと、日陰にいたら結構涼しいということがわかりました。このまま、このくらいの気温が続きますように…
今日のタイトル「落日」、これはいま僕が文庫本で読んでいる「桐野夏生」氏の書いた小説のタイトルなのです。僕は大の桐野夏生ファンで、今までに出た文庫はほぼ持っているのですが、忙しすぎて読めないという日々を送っております。幸いにも、この7月になってから、少し余裕のある時間帯ができたので、電車の中で、10分以上閉じ込められる時に、ちょくちょく文庫本を取り出して読んでます。はっきり言って、最高っす。文体が好きすぎて、同じ章を何回も読んでしまったり、あまりに面白いので、少しずつ読み進めるようにしています。そして、主人公の感情を噛みしめながら進んで行くのです。なので一冊読むのに、一ヶ月以上かかるのですが、ここんとこ、電車での移動が多くて、「落日」は結構なスピードで読み進んでいます。
発売されてから長いので、少しだけあらすじを紹介しますと、「マッツ石井」という女性の小説家が、Hな小説を専門に書いている売れっ子作家ですが、ある日突然、「ブンリン」という団体に呼び出されて、その施設に軟禁され、思想教育を受けて、そのあとどうなるの?という内容なんです。これは、今の時代の、「世間に忖度して、過激な内容をあえてカットする」ことに対する同調意識のようのものが、文化を蝕んでいるという作家意識の抵抗の物語なんです。
「なんでもかんでも規制すればいいってもんではない」、これを強く思っている人達は大勢居るのですが、「さらされる」というネット文化の闇が、この至極まともな考えを弱めていることに気づいているのは、昭和文化を経験した人達だけなんでしょうか。早く、この時代の流れが終わって欲しいもんだと強く思っています。
  2分遅刻で間に合う
昨日、土曜の外来が終わった後、ダッシュで京都のロームシアターに行ってきたのです。そう、前に予告していた「コーネリアス=小山田圭吾」の30周年コンサートに行って来たのです。感想:すごかったです。結構昔の曲から、ドンドン進化を遂げて、いまの彼の楽曲までを、2時間かけて、メドレーで流してみせたという感じです。そうです、小山田圭吾の集大成ですね。僕の中で、一番心配していたのは、彼はオリンピックの音楽大使を任されていたのに、開幕直前で、少し前にとある音楽雑誌にインタビューされた記事が、とんでもないいじめに当たると避難され、大使を下ろされ、彼の用意していた楽曲はことごとく削られてしまったのです。せっかくNHKで知名度を上げて、コンピュータを使った音楽=未来的な音楽を作れる第一人者として認められてきたのに、そこでハシゴを外された彼の失望はいかばかりか。それが、彼の楽曲に暗い影を落としていないか、とっても、心配していたのです。
まさに、いま読んでいる桐野夏生の「落日」と同じ運命ですよ。
結果:大丈夫でした。彼は、さらに偉大になって戻ってきました。サングラスするようになったのは、その件が関係しているかもしれませんが、彼の中の音楽性は、変わっていませんでした。なかなかに攻撃的です。この辺りでいいやろう、許してやるかという点が、もう少しひつこいところ、人に参りましたと言わせるところまで、それが彼の中に潜んでいると感じました。

最近、僕自身が、老いを感じるようになってきて、この「落日」のような周りの人に言いくるめられて(監視されて)、だんだんとおとなしくなっていく、というような傾向にあるので、それを否定してくれるものに会いたいと常々感じているのです。
まるで往年のパンクロッカー「内田裕也」のようでもありますが、多分、人間50歳を過ぎると丸くなるので、それが嫌だと感じている気概のある老人「トゲトゲしいが味のある老人」を目指してどこまで頑張れるかというところでしょう。
何をすれば、若々しさが保てるのでしょうか。医者以外に何かもう一つ、職業と言える(お金を稼げる、あるいは人から認められる)ものがあればいいのではないかと常々思っているのです。
医院開業と同時に始めようとしていた「砥部焼」のお店を持っていたら、また変わっていたのかな。なんだろう、何か探さなきゃ。
コーネリアス スターフルーツ サーフライダー このときは小山田圭吾はまだ20代でしょう。森口博子も若い!
デザイン あ by コーネリアス こういうのでのし上がって行ったのよ。

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