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院長雑記

富士山登山2024 その③

2024-08-12  カテゴリ:

 その②で出発の前にガイドさんに、行って帰ってこれるか?、そんなんシランわ。と言われてしまった長男。ここで彼の負けん気魂が炸裂します! 6合目までは早かったです。
 8:50出発で、17:50に戻ってくればいいので、コースタイムは9時間です。今回は、ちゃんと山の地図を購入して臨んでいましたので8月4日の時点で、彼にはコースタイムを伝えて、登り総計5時間15分。下り3時間30分と計算はできていました。僕たちの足が、コースタイムと大幅に違うことはないので、順調にいけば、頂上で20分間の休憩が取れると踏んでお弁当を持って登り始めました。
 心配なのは、コースの混み具合と、僕のトイレの近さです。トイレは、宿泊施設毎に設置されていますが、現在、使用量が300円かかります。最悪、ペットボトルにすればいいかと思いますが、実際には山道の往来が激しく、通常の山と違って、両端に白いロープが張ってあって、そこから外れた場所を歩くことはできないので(国立公園だから)コソッと用を足すというのは、夜でもない限り不可能です。車の中で子供がオシッコしたくなった時の緊急用トイレは持っていましたが、同様の理由でそれを使用することが昼行では不可能です。よって、合目毎にある山小屋のトイレにいくしかないのです。今回の旅の僕の一番のアイデアは、100円玉の棒金を持って行くということでした。50枚の100円玉を持っていると、トイレの時に足りるかなという心配はしなくて済みますし、自販機でも上のほうに行くと、ポカリスエットが500円とかしますが、全然平気です。お金とは不思議なもので、普段の生活では、大事大事に取っているものですが、いざギャンブルのような状況に置かれると、チップのような気分になって、どちらかというと、派手に使ったほうが気持ちがいいという気になります。家族で富士山に行かれる方は、是非棒金をお持ちになってください。安心感が違います。
 
 今回挑んだ富士宮ルートは、コースタイムが短い≓歩く距離が短い、では無くて、一番感じたのは、高低差がキツいということでした。六甲山も、高座の滝の標高200mくらいから、2.5時間で800mほどあがりますが、富士山は2400mから3700mまで1300mを駆け上がるという感じの山です。倍の5時間で1300mだから、行けなくは無いのですが、3000mを超えるくらいから、だんだん身体がおかしくなってきて、特に3500mを超えたら、ヨチヨチ歩きしかできないような前進ぶりになってきます。これが、酸素が薄いことによる体力の低下です。よく、高山病とか聞きますが、頭が痛くなるとかではなく、一歩あるくごとにハアハア言うというのが正しいです。
 最近、年齢のせいか体力が急に落ちてきて、仕事と運動が両立できなくなって⇒筋肉が落ちる、動かなくなるのでヘモグロビンも減るという悪循環が僕の身体に起きています。仕事量が若い時に比べて減っていたら、運動しにジムなどに通うことも考えますが、月に残業が100時間の状況では、運動していたら死んでしまいます😖 (さすがに、最近は少し仕事も落ち着いてきて、多分月に220時間くらいの仕事量だと思いますので、ご心配無用です!)
 そこに、夜行バスで3時間くらいしか寝ていない状況で、空気が薄い、ヘモグロビンが少ない、血清鉄も少ないという四重苦だったので、本当にキツかったです。頂上を見たら、クラッときて、谷底へ落下しそうになるので、景色もそこそこに足下だけをみてヨチヨチ進むことしかできなかったです。
 何を考えながら歩いていたか。そう、頂上にいくことが今回の目的だから、もし、帰りのバスに間に合わなかったら。5合目に待機していたハゲタカのようなタクシーに乗ればいいや。間に合わない場合は必ず連絡下さいと言われたサンシャインツアーに電話したら、遅い時間だと営業時間外を理由にかからないだろう(そういう会社だからね)、絶対に17時までに結論を出さないといけないな。
 僕は左足が右に比べたら弱いので、左をかばって、右足がつることが多いのですが、長男の6合目までのダッシュによって、もうすでに新7合目あたりから膝が悲鳴を上げ始めていたこと。今回は、右がつって、左がつって、また右がつって、左がつってと交互につってくれたので、リタイアせずに済んだこと。持参していたインテバン軟膏と、湿布が思いのほか役にたったこと。旧7合目くらいで飲んだロキソニンが意外と効果を発揮して8合目あたりは快調だったこと。
 どこまで行けるか、最後まで行けるか。9合目の待避所に入る直前で、左足全体がつりました。動けません、もう、痛みでグオッと声がでるくらいでした。あと50mを這い上るように待避所に入って、ここでリタイアしたくないという意地が溢れてきて、ちょうど12時だったので、お弁当休憩を取ることにしました。そこでイワヒバリを見ながら20分ほど休んだことがまた功を奏して、そのあとは、ひどい有様でしたがヨチヨチと這い上がることができました。
 
 9.5合目の辺りに、人が少なくて、僕一人で歩いていたときがあるのですが、残雪(あるいは万年雪)があったのです。その時、身体の中から涙が溢れてきました。人間感動すると、涙が出るんですよ!
 なんなんでしょうね、最後は天気も良くなってきて、頂上のお宮さんに参るときには快晴。お鉢と言われる富士山の火口も全体が見渡すことができました。この景色は、僕が見たかったもの。ずっと憧れていたもの。与那国島の海底遺跡と同じくらい、死ぬまでに行っておきたかったところでした。そういや今年の富士山開きの時に、お鉢の底で二人死んでいたというニュースも流れましたね。そりゃあ、あんなとこ落ちたら死ぬわ。
 同時に、こんな高度で死ぬ思いをしているのだから、キリマンジャロとか僕は登れないなと痛感しました。もちろん、エベレストとかは行けないし、行かないわ。結局、こんな有様でしたが、到着は13時40分でしたので、登りは4時間50分でした。20分ほど頂上で休憩して、いざ帰りです。
 まだまだ続く。感動巨編。
 
 
 

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