富士山登山2024 その④
その③を投稿したのは午前1時くらいでした。この④は午後10時頃に書いています。なので、熱さが違うかもしれませんが、とりあえず行ってみよ~。
富士山頂上で感慨にふける時間もそこそこに、結構寒いんです。ひんやりとした風(5~10℃)が、お鉢の中から吹き上がってくる、まさに天然の冷蔵庫。いつまでもここに佇んでいたい。そして眠りたい。でも、そろそろ降りないと。14時から下り始める予定が、14時10分発くらいになったでしょうか。
富士宮ルートは、行きと帰りが全く同じです。なので、狭いところで上がって来る人がいたら、下りは少し待って降りないといけないんです。エスカレーターのように二つレーンがあるくらい広いところでは、どちらかの端を歩いていたら待たなくていいのですが、歩きにくいところがあると、通れるところは一レーンになってしまいます。
登りはひたすら膝を上に上げて固そうなところを探して登っていくのですが、下りは、富士山特有の火山溶岩の礫の上を踏むと、海辺の砂の上を歩くように靴が少し埋もれるような感覚で歩けるのです。要は、あまり膝を上げずに歩くことができるので膝が悪くても、スキー板に片足ずつ乗って降りていくような感覚で降りれるところが多いです。これが、行きよりも帰りのほうがかなり楽に感じる理由です。
かつ、降りれば降りるほど、酸素が濃くなって行くので、体力が蘇っていくような感覚になります。ただし、登りで体力はほぼ使い果たしてしまっているので、途中で歩けなくなることも十分に念頭において歩くことになります。登山者の中には、スニーカーで登って来ている勘違い野郎もいるのですが、確かに登れはしますが、帰りには足がほぼ上がらずに、引きずるような感じで精魂尽き果てたような顔で降りている人が多いです。
それと、降りても降りても、なかなか次の待避所が近づいて来ない。行きは、どんだけ力振り絞って登ってたんやろう。ほんまに、俺が登ってきたのか?という気持ちにもなります。ただ、景色を楽しむ余裕ができるので、自分が来た山は、確かに日本一の山だなぁとか思いながら降りていきます。
宝永火山がとても美しい。
少し降りた9合目で、出発時に質問したガイドさんに出会いました。「上までいけました?」「はい、行けました。天気も良かったです。このまま帰れば、バスにも間に合いそうです」⇒その時のガイドの悔しそうな顔は、ドラマチックな表情でしたよ。世の中には意地悪な人もいるもんだ。
旧7合目辺りで、雷が鳴り出しました。そう、今回の登山では、まだ雨に降られていなかったのです。僕は、降れ、降ってくれ!と願いながら歩いていました。理由:今回新調した次男のFoxFireのレインウェアは、まだまっさらで、是非来て欲しかったから。レインウェアは、雨合羽とは違います。ゴアテックス素材なので、着ていても全く汗が籠りません。外は水をはじくので、自分が無敵(両生類)になった気がするのです。1着25000~35000円くらいするので、なかなか気軽に買えないのですが、これが無ければ富士山を快適に登ることはできません。
結局、7合目で僕らは全員レインウェアに着替えて、ザックカバーもかけて、雨仕様に替えました。この衣替えが、とても楽しい気分にさせてくれます。疲れているので、コースタイムがどのくらいか考えずに降りてきましたが、長男は、冷静に間に合う、間に合わないを考えてくれていたようです。とうとう5合目まで降りてきたのが17時30分。タイムは、3時間20分でした。出口で3人でバンザイして握手をして、僕の道楽に付き合ってくれてありがとうとお礼を言いました。
foxfire, monbell, marmot
無料トイレに行ったあと、バスの集合場所へと急ぎます。17時45分に到着しましたが、誰一人いません。朝は満員だったので、40-50人いたはず。サンシャインツアー、恐るべしと思いながら、ここで合ってるのかなと不安な僕。長男は来るやろうと、もう慣れた感じ。結果:17時50分ちょっきしにバスがきました。他に誰も居ないので、運転手さんに何人乗るのですかと質問して、4人ですと。もう一人、17時53分くらいに現れて、4人で現地を後にしました。他の人はどこ行ったんや。温泉までは1時間くらいかかるのです。中で、着替えたりしてラフな格好に戻りました。
湯ノ華温泉到着が19時。バスの扉が開いて、前に乗っていた乗客一人が、お疲れ様でしたとガイドに連れられて、館内へとスタスタと行ってしまいます。運転手さんは、「あのガイドさんを追いかけて」と。僕らはバスに置いてきぼりになってたのです。運転手さんに「ありがとうございます。」とお礼を言って、ガイドさんを館内で捕まえます。「すいません、僕たちもサンシャインツアーです!」⇒「えっ、関東のお客様は一人だけでは?」
「関西からです。」⇒「あっ、ほんとだ。中内様3名様ですね。えっと、関西の方のバスの時間は何時だったかな?しらべますね。お先に、関東の方のバスの時間をお知らせします。20時半です。」
フロントに聞いたガイド「関西の方のバスの時間は12時です。」⇒「えっ、夜の12時ですか…」
「そうです、あと5時間ほど館内でおくつろぎください。」これには絶句したが(今回何回目の絶句?)せっかく旅行に来たからには、最後まで楽しんで行こうと気持ちを切り替えました。
まずは、お風呂に急ぎます。スーパー銭湯なんですが、都会のスーパー銭湯の忙しさ、客の多さが無く、かつ設備は良いという田舎ならではの充実した温泉でした。僕は「垢すり」を申し込んで、1回目の浴場は45分ほどで切り上げ、夕食に向かいます。朝とは違って、バイキングでは無かったのですが、定食券を渡して、席に着こうとしたとき、特大のブザーが鳴りました!(なんやなんや、ドリンクバーに行こうとした子供達を牽制するためのブザーか?)
違いました。携帯電話のブザーでした。神奈川の地震速報だったのです、ブザーのあと、10秒くらいで、震度4くらい揺れました😖
僕は終わったと思いました。ここは伊豆の国近く、南海トラフの一番端っこが割れた。ああ、このあと大地震が来て、帰れなくなるなあ。「ドラゴンヘッド」という漫画が頭をよぎります。でも、それきりでした。
そのあとは、次の心配が。バスが24時ってことは、関東から来るバスでしょ。もう発車が遅れに遅れて、バスの到着が朝の6時頃になるんでないの? ご飯を食べた後に、フロントに聞きに行きますが、サンシャインツアーからは何の連絡もありませんと。そらそうでしょうよ。そういう会社だもん。
ああ、今日は朝までこの温泉施設に閉じ込められるのか。バスが来なかったら、しれっと明日の朝くらいに、ご自分でお帰り下さいとか言ってくるんだろうなあと諦めに似た気持ちと、どこまでも連絡が無いって楽しいなという気持ちでした。
でも、僕の子供達は、全く動じません。ここの温泉はとても気持ちがいいのと、いくらでもマッサージチェアに座ってられるのと、漫画コーナーもあるのです。ホテル施設もついているのですが、ホテルに泊まるの?と言う質問はなく、ここで雑魚寝するの?という質問が、男達の成長を感じさせました。
はは、最後に23時頃からオリンピックの女子ゴルフをTvでやっているのを横目に、そろそろ勉強しようと、出発まで雑魚寝設備の机で次男に宿題をさせました。23時45分に、温泉のロッカーキーを返して、とても親切にしてくれた受付の人に挨拶して、館外に出ると、行きとは違った、一回り大きなバスが来ていました。
乗り込む前に、朝到着時に案内してくれたガイドさんから質問。「今回、富士山は上まで行けました?」
「はい、上まで行って、お鉢の中もみれました!」⇒「へえ~、それは良かったですね。なかなか時間が足りなくて、完投されるお客様は少ないのですよ、そういうお客様は、何回もコースを変えて再チャレンジされています」と満面の笑み。
そういうことね、さすがサンシャイン、お客に与えられる時間を最低限にして、登頂をさせずにもう一回、ツアーに誘い込むというやり方なんだ。僕は、言葉を呑みこんだ。
さて、帰りのバスは空いていました。バスが時間通りに来たのは、静岡の富士急ハイランド始発のバスだったんです! リクライニングもフルにできましたが、今回の旅では、スーパーサイヤ人になってしまった僕は、全然眠れませんでした。翌朝携帯みたら、睡眠時間2時間49分でした😆 すべてのトイレ休憩でうろつき廻り、朝4時の名古屋駅の人の数を数えたりしていました。
まあ、こんな体力勝負の旅行は、人生後半において、最後かもしれません。TV局が付いてきていても、全然番組になるくらい面白い旅でした。いつも、嫁さんと、女性陣は置いていくのですが、それはこれを心の底から楽しめる性格でないと僕が辛いということなのでした。
まあ、また1年に一回くらい冒険の旅に出ます、それまでアディオス!それと、弾丸登山は、若い人以外は、絶対にお止めください。マジで命に関わります。